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音符のみつけ方

第17章 コンフュージョン


「オレの二つ上の兄貴は今、財閥のトップでね。
神宮寺財閥の広告塔としてオレをここに入らせたのさ。

要るのは長男と次男、三男は・・・別に要らない。


・・・ああ、これはオレの独り言だから聞き流してくれても構わないからね?」

『・・・、ううん。つづけて?』





聞いて欲しいから、私に話してくれてるんだよね。

聞いて欲しくないなら、言ってくるはずないもん。





「・・・オレの母親は、オレを産んですぐに死んでしまった」

『・・・!』

「綺麗な人だった・・・今でもその映像は大事に録ってあるんだ。
・・・オレの記憶としては、悲しいけど少ししか覚えていなくてね」

『・・・そうだったんだ・・・』

「アイドルだったんだってさ。
でも、財閥に嫁いでアイドル業を辞めた」

『・・・おかあさんも、あいどるだったんだ?
れんのおかあさんなんだからとってもきれいなんだね、わたしもあってみたかったなー』

「ふふ、そうだね・・・。
出来るなら、生きていたらエレを会わせてあげたかったよ」

『もしあえてたら、おれいいいたいな』

「お礼・・・?
何のだい?」

『れんを、うんでくれてありがとうって』

「・・・・・・・・・っ!」





レンに抱っこされながら会話してるから、尚更どう反応してるのかが伝わってきた。

ちょっとだけ支えられてる腕が反応する。


体勢を整えて、レンの足に乗っかる。
私が言った言葉に驚いてるのか、オレンジ色の瞳が少し見開かれてる。





『だって、そうでしょ?
れんはいらないこなんかじゃないもん』

「・・・・・・要らないさ」

『いるよ』

「・・・現に、父親から嫌われてるんだ。
その父親も、血の繋がりが怪しいんだよ?」

『・・・まえにもいったけど、わたしは・・・ざいばつのあれこれはしらない。でも、これだけはいえる。

かぞくなんて、ちのつながりはかんけいないとおもうんだ』

「・・・、関係・・・無い?」

『うん。
もし、かりにれんとれんのおとうさんがおやこじゃなかったら・・・れんはどうおもう?』

「どうって・・・」

『うれしい?
かなしい?

・・・さびしい?』





綺麗な顔立ちが、迷いの色を見せた。

いつもの大人びてるレンじゃなくて、年相応の表情。
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