第17章 コンフュージョン
『つ・・・つきみやせんせい、とりあえずはなしきいてくれません!?』
「・・・ふふ・・・、大丈夫よぉ・・・すぐに終わるから。
いい子だから捕まって?」
『つきみやせんせいのおーらがぜんぜんだいじょうぶにみえないんですけど・・・!』
「安心して頂戴、シャイニーの恋愛禁止令はギリギリセーフのラインだから・・・。・・・ね・・・?」
『いやそれぎりぎりあうと・・・!!』
ヘルペスミー、セシル。
あ、違ったヘルプミー。
セシルと学園長室で別れた後、いつもの倍の時間をかけながらも私はみんなが待ってる空き教室に向かった。
歩幅ちっちゃい。
よく幼稚園児とかこのちまっとした足であんなに走れるね・・・。
空き教室に着いた頃にはもうお昼近くで。
中には誰も居なかったから、10分くらい休憩してみんなを探しに行こうかと思った矢先に月宮先生が帰って来た。
・・・で。
なんか、ちっちゃくなった私だと理解したらしい。洞察力が半端ない。妹とか勘違いするんじゃなくて、本人って見抜いちゃうんだもん。
そして何をどう考えたのかは解らないんだけど、私が異性の誰かとキスをすれば元に戻ると言う結論にいきついたらしい。
いや、なんでそこにいきついたんだろう。
それはさすがにヤバいと思って、私は即逃げた。
決死の思いでぺたぺたと素足で迫り来るモンス・・・月宮先生から逃げている。なぅ。
『ぜえ、はぁ・・・や、やばい・・・このままじゃつかまる・・・!』
どんっ
『むぃっ!?』
逃げる事に必死になってて、何かにぶつかった。
わー、前方不注意・・・。
その拍子にすてんっと尻もちをついてしまった。
「おっと・・・大丈夫かい?」
『あ、れん・・・!』
「おや、君のような可愛い仔猫ちゃんに名前を知ってもらえてるなんて・・・オレは幸せ者だ」
『くう、ほほえみがまぶしい・・・!
わたしだよ、心羽だよ!』
「・・・エレ?」
『うん!』
「・・・・・・もしかして、ボスに何かされたのかい?」
『うん・・・それで、いまつきみやせんせいにおっかけられてて・・・っ』
「・・・なるほどね。
OK、そう言う事なら協力するよ」
ひとまずは協力者を仲間にできた。
レンはやればできる子って信じてるよ。うん。