第16章 フィーリング
ガタンっ!!
「っ!?」
『お、棺桶。
これはアレですね、中には吸血鬼とか狼男とかフランケンシュタインとかゾンビが入ってるパターンですね』
ガチャ・・・
血ィ・・・寄越せ・・・!
『ほーら、やっぱり。
・・・おー、特殊カラコン。白目の所が黒くなってて、瞳が真っ赤ですよ』
「いや、このちゃん・・・!
噛まれちゃう噛まれちゃう・・・!!」
『本当に噛まれたら早乙女学園長に治療代請求します。
吸血鬼とか実在してるのを証明するのが無理なご時世ですし。同族の人間に噛まれても歯形残ったり鬱血(うっけつ)したり、唾液付けられるだけですから。
キバもどうせ取り外せるタイプのやつですよ』
・・・。
・・・血ぃ・・・
『役作り、ご苦労様です』
「・・・」
ガチャ
『ん・・・、寝室みたいですね』
「し、屍が所々に転がってる・・・」
『がばっと起き上がってくるかもしれないので注意ですね。奇声発したり足掴んでくる可能性も、無きにしも非ず』
「・・・う、うん。
(・・・て言うか・・・、このちゃんって・・・)」
『お。洋風な電話。
これは多分通り過ぎたら鳴るはず』
ジr がちゃっ
「(ワンコール前に出た!?)」
『はーい?』
あたし、メリー・・・。
いま、おやしきの、まえにいるの。
プツッ
『わお、メリーさんから電話きましたよ寿さん』
「め、メリーさんって確か・・・だんだん近づいてくる、あれ?」
『多分それですね。
屋敷の前に居るそうですよ。
次はさっきの呪いの言葉を連呼してたお化け役の人が居た、玄関過ぎた所かこの部屋の手前に移動すると思いますよ』
ジリッ
がちゃ
『はーい?』
あたし、メリー・・・。
いま、あなたのへやの、まえにいるの
プツッ、
「・・・ど、どうしよう。
なんか怖くなってきたよ・・・!」
『部屋の前、って事は次で登場ですね。
だいじょぶですよ、寿さん』
「だ、大丈夫ってなにが・・・?」
ジリ、リリリ
がちゃ
『はーい?』
あたし、メリー・・・・・・。
いま、あなたたちの、すぐしたにいるの
ぷつっ
「し、下・・・?」
下、と言われて私達は下を見る。
寿さんの今日一番の悲鳴まで、あと3秒。