第16章 フィーリング
お化け屋敷なう。
あ、ちなみに行きたいって言ったのは私。
精神的にくるものを最初に体験しといた方が後々ダメージ軽減出来ると思って。
ギィィ・・・
「っ・・・う、わあ・・・クオリティ高いね・・・」
『洋館をイメージしてるみたいですね・・・。遠近法を駆使して遠くに十字架が見えるようになってますよ?』
「あはは・・・これはかなり覚悟決めなきゃダメかも・・・。
このちゃんは、お化け平気なの?」
『得意では、ないですね・・・。
あ、でも触れられたりしなければ意外といけるクチです。寿さんは?』
「普通のお化け屋敷なら、そんなに怖くないから平気なんだけど・・・」
『・・・早乙女学園長、恐怖感を追求してますからね。進むしかないですし・・・もう少しゆっくり進みますか?』
「い、いやいやっ!
ゆっくり進んでもジワジワ精神削られる気がする・・・!
ここは男れいちゃん・・・覚悟を決めてこのちゃんを守り抜くよっ!」
『・・・やだ、寿さん今のトゥンクです』
「えっ、そう?」
ヒュウウゥ・・・
『、!
なんか今ヒヤッとしました・・・』
「う、うん・・・・・・。
・・・て言うか・・・なんか変な声が、」
ノ・・・・・・テ、・・・
『ほんとだ・・・なんだろ、』
・・・ロ・・・・・・、ヤル・・・
『ろ、やる??
うーん、上手く聞き取れませんね・・・』
「ちょ・・・このちゃん?
そんなにハッキリ聞こうとしなくても・・・、・・・!」
ゴトリ・・・
呪ッて・・・やル・・・
「っ、わああ!?」
『うっわビックリした・・・。
・・・うわー、特殊メイク・・・。こっちは火傷の跡、こっちは・・・切り傷かな。おお、血の気の無い感じもリアリティありますねー』
どこからともなく転がってきた、お化け役の人。
めっさ低い声で呪ってやる呪ってやると連呼し始める。周りは真っ暗だから、余計に恐怖心をそそる。
微かな光を頼りにその特殊メイクを近くで眺める。
・・・言わずもがなお化け役の人から「え、ちょ・・・なんでこの子ちっとも怖がってないの!?」と言う目で見られた。
寿さん、ここまだ洋館エリアの入口ですよ。