第16章 フィーリング
side 翔
ごしゃあっ!
「・・・お、落ち着けよトキヤ。
つーかレンも、何円城寺さんから借りた銃構えてんだよ!?」
「おっと、失礼。
少々気持ちが行動に出てしまいました」
「止めないでくれるかなオチビちゃん。
今ならエレを傷つけずにあの男を・・・」
「・・・ショウ。
2人から魔力に似た気配が感じられます・・・。かなり鋭いような感じです」
「明らかに殺気ってやつだな・・・。
セシル、レンが発砲しないように止めといてくれ。マジで撃ちそうで怖え」
「イエス、解りました」
レンと真斗が執事の2人から心羽の居場所を聞いて、俺達は早乙女キングダムに来ていた。
そして着くなりセシルのレーダー(どこにあるんだよ・・・)が心羽の気配を感じ取ってそっちに向かった。
あんま大所帯で移動するのもバレるだろって事でAとSに分かれた。
で、心羽を発見。
隣には緑のキャップと眼鏡をかけてる茶髪の人。
まだそう言う意味でのデートなのか解んねえから、取り敢えず距離を取って物陰に隠れて見守る事にした。・・・てか、心羽のやつすっげー可愛い格好をしてる。おいおい、マジでデートなのか・・・?
と思ってたら、茶髪の人が心羽にほっぺキスをかまして写真を撮った。
その瞬間。
カモフラージュだ、とか言って数分前にトキヤが買ったジュースはトキヤ自身の手で握り潰された。・・・さすがの俺でもここまで綺麗に握り潰せねえよ。
「ちょっと・・・あの男、今度は心羽を抱きしめてるじゃないですか。
うらや・・・スキンシップが激しいにも程がありますよ」
「だから落ち着けっての・・・。
(羨ましいんだな)」
「ふう・・・まさかこのオレに財閥の力を使わせるとはね。
セッシー、離してくれないかな。どうやらジョージ直伝の暗殺術を発揮する日がくるとはね」
「ノン!
2人とも落ち着いてください。
ワタシ達が気づかれては、コノハが楽しそうにしているデートが台無しになってしまいます」
「セシル、お前・・・もし、あの人がその・・・心羽の好きな相手でもいいのか?」
てっきりお前も心羽の事好きなのかと思ってたぜ・・・とレンが銃を持ってる腕を掴むセシルを見た。