第16章 フィーリング
「あ、もしかして・・・嫌だった?」
『嫌とか言うより以前のハナシですっ。
なん・・・っ、ほっぺキスとかどこのカレカノですか!?』
「このちゃんってば、カレカノなんて可愛いなあ」
『、かわ・・・っ!?
おちゃらけないでください・・・しかもなんで、ちゃっかり帽子と眼鏡を瞬時に外してるんですか寿さん』
「えへへっ、バレた?
アイドルやってるとねえ、こう言うテクも身に染みてくるんだよ」
『なるほど、さすが本職。
・・・っじゃなくて!』
「まあまあっ。
誰にもバレてないみたいだし、結果オーライだよ」
『そ、れはそう・・・ですけど・・・』
「あ、どう撮れたか見る?
しっかりキュートに撮れてるよんっ☆」
寿さんは全く悪びれもなく今撮った写メをスマホの画面に表示させた。
そこには肩を抱き寄せられ、しっかりと私のほっぺに唇を落としている寿さん(変装解除)。そして無防備にもほっぺキスをされてる私の姿。
・・・ちくせう、柄にもなく恥ずかしくなってきたじゃないか・・・!
『っ、・・・』
「どう?どう??
ぼくとしてはベストショットだと思うんだけど」
『・・・っっっ////』
「・・・このちゃん?
・・・って、あれれ・・・もしかして照れてるのっ?」
『っ、るさいです・・・っ///』
「うっわあ、照れてるとこも可愛いッ!」
『ああもう、言わないでくださいよ恥ずかしい!
こんな、当たり前じゃないですか・・・!
普通ツーショットって笑ってピースとかのレベルでしょう!?////』
「それも良かったんだけど、せっかくなんだし思い出に残したいじゃん?」
『こんな事しなくても、寿さんみたいなイケメンさんと一緒に居られるだけで十分思い出になってますっ!!』
「、えっ」
イタズラが成功したような表情を浮かべる寿さん。何を言っても効果が無い。
そんな寿さんに、私は怒ってるんだか褒めてるんだかよく解らない反論をした。
まったく・・・私だって生物学上は女なんだ。
今ので照れないなんて、無理に決まってる。
反論したところで、私は深呼吸して気持ちを落ち着かせた。
何は、ともあれ。
過ぎてしまった事はしょうがない。私も油断してたし。
気を取り直してアトラクションに乗ろうそうしよう、と思ってた・・・ら。