第16章 フィーリング
寿さんは両手を顔の前で合わせ、その名の通りお願いポーズをしてきた。
おまけにぱちりとウインクひとつ。
・・・あれ、なんか最近トゥンクする。
ついこないだも月宮先生にときめいたのは記憶に新しい。
『・・・、いいですよ。
撮りましょう、ツーショット』
「本当にっ!?
うわあ良かったあ・・・、断られたられいちゃんのハートが折れちゃってたよう〜」
・・・なん、なんだこの人・・・。
あれ。寿さんって私より年上だよね。
私今17で、寿さんは20越えてる・・・よね?
・・・どうしよう、なんか私よりも愛嬌ある。
私がときめいてるのなんてつゆ知らず、(いや知ってたかもしれないけど)寿さんはユニオンジャックのカバーをつけた自分のスマートフォンをポケットから取り出した。
じゃあ撮るよ〜。
と、その言葉に私はハッときた。
がしっ
『、じゃないですッ!』
「っ、とぉ!?
ど、どうしたのこのちゃん・・・?」
『なに平然と帽子とか眼鏡とか取ろうとしてるんですか。
誰がどこで何を見てるか解んないんですよ、?』
「・・・あっ、そっか・・・。
えへへっ、メンゴメンゴ♪」
解ればいいです・・・と言ってとっさに掴んだ寿さんの帽子から手を離して、どこか人目につかなそう(やましい意味ではない)な所が無いかと辺りを見渡した。
する、と。
「このちゃん」
『はい?』
チュ・・・カシャっ!
「・・・うんっ、カンペキ♪」
・・・・・(間)。
・・・ん?あれ、?
・・・え、私今・・・何された・・・?
寿さんに名前呼ばれて、振り向いたら肩引かれて(やんわり優しく)。
そのまま顔を寄せられて・・・カシャって、音して・・・。
・・・いや。違う。
そのカシャっ!の前だ。この際カシャっはいい。ツーショット撮るって了承した時点でシャッター音が鳴るのは当たり前だ。
その、前だ。
『』
「よ~しっ、これでお願いふたつ聞いてもらったし・・・そろそろアトラクション乗ろっか!」
『』
「まずはどれからにしようかな~?
一番近いのは・・・」
『・・・っな、は、・・・なん』
「??」
どうしたの?と首を傾げて私を不思議そうな表情で見てくる寿さん。
・・・今・・・ほっぺキス・・・・・・され、た?