第4章 初デートは×××
キャーという人の悲鳴に、滝のような水の上を急降下していくボート。
絶叫系と呼ばれるその遊具が鈴花の目の前にはあり、カップルや家族連れの人々が行き交うこの場所。
わざわざ口にするまでもなく、鈴花と虎之助の二人は遊園地にやって来ていた。
当然、こうなってしまった経緯はある訳で――
◇ ◇ ◇
「そんじゃま、とりあえずは身体の相性から試してみるか」
「はぁ?!」
突然のキスのせいで思考能力を奪われ、気がつけば再びベッドの上に鈴花は押し倒されていた。
シーツに散らばった髪の一束を手に取り、虎之助は毛先に唇を落とす。
髪の毛に感覚なんて無いはずなのに。
虎之助の一挙一動には何故か鈴花の全身は敏感に反応してしまう。