第4章 初デートは×××
「恋人になる上で、身体の相性は大事だろ?」
「それはそうかもしれないけど……って、言ってる傍から何して…っ」
両手首を頭上で押さえつけられ、虎之助の空いた右手が鈴花の腰のラインを撫でる。
その手つきは明らかに愛撫めいた厭らしい仕草で、焦らすように大胆には触れてこない。
「何って……ナニだろ?」
「そんな爽やかな笑みで断言しないで……」
「それもそうだな。こういうことは言葉で伝えるより、身体で教えてやるのが一番だ」
「!!」
涼やかな笑みが一瞬で、ニヤリと悪どいものへと変わる。
それまで服越しに撫でるだけだった手が確かな意思を持ち、いきなり鈴花の薄着の中へと浸入してきた。
「あっ…! 虎之助……ちょっ、…だ、め!」
「シッ……黙ってろ」
「んんぅっ…!」
足の間に割り込むようにして乗し掛かられ、更には再び唇を虎之助のそれで塞がれてしまう。
徐々に肌を這い上がってくる指先は鈴花より体温が高くて。
触れられたそこから熱がじんわりと全身に広がっていくようだった。