第2章 ~1日目~
音がしたであろう真下に目線を向ければ。
「……!!」
パジャマ代わりに着ている薄い半袖シャツの下へと、男の手が這いずり上がってきていた。
へその辺りを通過し、お腹を撫で回す手のひら。
そのまま胸の膨らみへと移動する前に。
「……す、ストーップ!!」
鈴花は無理やり男の唇から逃れ、胸元の下にある男の手をわし掴んだ。
当然、この寸止め状態に目の前の男の顔は不機嫌そうにしかめられる。
「何だよ? ここまで来たら、ヤる事はひとつだろ?」
「なっ…!」
(この男は……よくもまぁ、いけしゃあしゃあと)