第2章 ~1日目~
二の句を告げる隙も与えられず、鈴花の唇は再び塞がれてしまう。
まさに唯我独尊。
こちら側の言い分には少しも耳を貸さない。
更には顎と腰を捕らえられ、身動きが出来ない一方。
「んぅ…っ! ふ……ん、ン」
強引な態度や言葉とは裏腹に、口づけは蕩けそうなほどに優しいから質が悪い。
最初こそ頑なに唇を閉ざしていた鈴花だったが、次第に男のキスにほだされていく。
「口……もっと開け」
「ふ…んっ、あ……ふ」
唇の隙間をなぞられながら甘く囁かれて、誘われるように鈴花は唇を開いて招き入れてしまう。
名前も知らぬ、男のぬるついた舌を。