第2章 ~1日目~
だからこそ、自ら彼を招き入れたとは思えない。
「……不法侵入者?」
どちらにせよ、警察に連絡はした方がよさそうだ。
そう判断した鈴花は敷き布団から起き上がろうとしたのだが。
「ん…? あぁ、起きたんだ」
「……っ!」
布団に埋もれるようにして隠れていた彼の顔がむくりと起き上がる。
さらりと揺れる赤みがかった茶髪の前髪。
その奥から現れた相貌に、鈴花はドキリと胸を弾ませた。
(……布団に隠れてたから顔はよく分からなかったけれど、私が今まで出会った中でもこんなに整った顔立ちの男はいなかったわ)