第1章 〜First Stage〜
…………
さすがに裸で泳ぐことはできないけど、研磨と二人で水に足をつける。
「……泳がないの?」
「…………後で、いろいろ面倒だから…」
「面倒くさがりなんだね」
そう言うと、研磨はぷいっと横を向いてしまった。
…あれ?なんか失敗したかな…
そういえばわたし、このひとたちの性格とかなにも知らないんだな
日向と影山が単細胞バカってことは知ってるけど…
その単細胞バカたちはさっきから何やら揉めているみたい。
ワーワー言っている声がここまで聞こえてくる。
研磨がちょっとうるさそうに顔をしかめる。
「……でもさー、一緒にいて楽しいよね?」
「えっ?」
「あの二人。」
「……うるさいけど、まぁね」
二人だけじゃない。
研磨だって、隣にいて、なんだかすごく落ち着く。
岩泉さんや青根とももっと仲良くなりたい。
今ではそう思う。
こうして、何気ない日常を一緒に過ごすことで本当の仲間になっていけるのかなって。