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第2章 世界


白川側

立っていたのは校舎の廊下

外は真っ赤な満月が出迎える

そのまま視線を少し落とせば、此処は3階以上の階だとわかった

顔を前に向けて足元へ視線を落とす

廊下は真っ赤な液体に浸っていた

鼻には鉄の匂いが染み付く

水深は1センチくらいかな

あの日と一緒の服装だ

中学の学生服(半袖)だ

僕は前に一歩ずつ確実に進んでいく

ピチャピチャと足元が木霊する

心の中で何歩か確かめる

30歩くらい歩くと景色が変わる

目の前には暗い廊下が広がっていただけだが

窓の下には人の形が見えた

その人の前で止まり、しゃがんで見つめる

茶髪の三つ編みをツインテールにしている女の子

痛々しい姿になっている

左肩から右脇腹まで赤い線が入っている

口は無造作に空いており、赤い液体が流れていた

服で見えなくなっているが

そこから臓器が盛り上がっている

右腕には無数に穴が開けられており

向こうが見える状態

足は左膝から下がなく、赤黒い骨が見える

白い夏服な真っ赤に染め上げている

それを見ても、私はなんとも思わない

ただ、痛そうだな、と思うだけ

立ち上がって来た方向を確認しても何も変わらない

では先に進もうと思い前へ一歩踏み出した

ガシッと誰かが僕の足を掴む

『......』

?「置いてくの?見捨てるの?」

何処からか声が聞こえた

聞こえた方に顔を向けると

先ほどの女の子が右手で私の左足を掴んでいた

穴だらけの腕のはずなのに強く握ってくる

リアルに足がギシギシと悲鳴をあげる

『離して?』

?「置いてくの?見捨てるの?」

不思議と恐怖はない、それよりか嬉しく思う

『置いてったのも見捨てたのも君達だろ』

?「置いてくの?見捨てるの?氷月?」

『もう君達には付き合えない』

前を見ると黒い布に身を包んだ人らしき者が浮かんでいた

手には大釜を所持しており、その手を高く振り上げた

フードで顔は確認できない

ソイツが狙っているのは、私の首

これで楽になれるのかと思えば、嬉しくて仕方がない

そして、ソイツの釜は振り下ろされた

首に刺さる感触がした

仁「氷月!」

『!』

視界が急に明るくなり目の前の人物は焦った表情をしている

仁「大丈夫か!?」

『ああ、うん』

仁「そうか」
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