第5章 炎のゴブレット
イヴは来た時とは違い、ニコニコして部屋を出ていく。その後ろをジッと見つめるダンブルドア。
「…やはり行かせるのだな。」
肖像画の中の一人が呟く。
「………あの子には自由にさせてあげたいからの。」
「私らはお主と同様にあの子を見てきた。………あの子がとてもあの予言の子だとは思えんが。」
「…………予言はただの道標でしかない。選ぶのは本人じゃ。」
ダンブルドアが淡々と答える。
「だが、お前はその予言を信じておる。他ならぬお前自身が。………………ケインにいつ言うつもりだ?」
「…………その時が来れば言うつもりじゃよ。」
いつもはキラキラと宝石のようなダンブルドアの瞳は暗く陰っていた。