第1章 わたしたちは 暖かいね
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「あんまりこういうのつけないじゃない?」
サっと中身を取り出して、俺の右手にくくりつける。
「似合うよ」
いたづらに突いて微笑む彼が、
オとしてきた数えきれない量の女の子に改めて同情する。
その手を掴んで、音を立てて口づけてやった。
「ガキの頃もこんなにプレゼントもらったことないわ」
嬉しそうにする潤くんはすぐに、俺のキスを受けるだけの子犬になる。
彼から連絡が来なくてしょげてた自分が申し訳なくてしかたない。
あちらこちらに口づけていると、もはやどちらが子犬なのか分からないが。