第6章 じんわり
「…何よ、それ」
「おかしいか?」
さっきの事を全て姉さんに話した。少し呆れ気味な顔をしながらもちゃんと聞いてくれた。
「おかしいとは言ってないけど…ただロイにしては面白い話だなーってね。ロイも楽しい話出来るんじゃない」
「……バカしすぎだろ」
姉さんはくすくす笑った。
「振り出しに戻るけど、別におかしいとは思わないわよ?エル君喜んでたんでしょう、ならいいと思うけどな」
「そう、か」
少し納得した俺は姉さんに小さな声でありがとう、と言った。
姉さんに聞こえないようにしたけど、聞こえてたらしくいつもより余計に笑顔だった。
「いえいえ、ロイ」
姉さんはふふと笑った。