• テキストサイズ

仕事は幽霊退治

第8章 それぞれの神様


俺達の悲劇は止まらなかった

ある年、どこか海岸近くの村には変死体が出るようになった

その変死体はどれも腰の辺りから真っ二つにされている

波もその被害者だと氷月は俺に教えてくれた

その変死体が現れる5年前

俺達が7つを超えた時に事件は起きていた

岩場で狂った女を見かけた氷月は

ソイツに話し掛けた

ソイツは成人女性だったと言う

いつもナイフを持っていて

岩場で声を高くして笑っていると

裏方の仕事は来ないだろうと思っていたら大間違えだった

俺達、人間の形を保った神様が居れば

俺達とはまた違った神様が居るのをすっかり忘れていた

神様達は自分の手を汚したくないから

1番歳の低い氷月を利用して人間を殺していた

氷月は他の神様からの依頼も受けていたようで

その女の下半身を凍らせて尋問した後に殺したそうだ

それを指示したものその依頼をした神様らしい

俺に言わせて見れば神様なんて居ない

結局は氷月が全てを抱え込んで

氷月が探し出して

氷月が殺していく

それがアイツら神様の人間の対処だった

それを見かねた炎方が年に一度集まる神聖な場所に乗り込んだ

勿論、俺も一緒だった

だけど、あっさりと捕まってしまい

さらには殺された

その時代では氷月を1人にしてしまった

氷月の心は崩れて行った

俺達が出会う前に氷月は何か事件を抱え込んで

最悪の時は、俺達が出会う前に死んでいた

あの日から氷月は20を超える事なく死んでいる

必死で守っても、俺達の力じゃ守り切れない

早くに死んだ氷月は何をしているのだろうとのんきな事を考えていた

ある時、俺と炎方は聞いてしまった

神様と氷月の会話を

神様はある条件を満たしてくれれば氷月の願いを叶えると

神様から出された要求は1つ

この世の秩序を乱す輩を見つけ出し、何事もなかったかのようにしろ

対する氷月は

俺達の安否だけだった

それ以来、俺達の中で氷月のイメージが変わった

1人で死んでいく最低なヤツ

から

俺達守ってくれてた、本当の神様なんだって

俺達が守るはずだったのに

結局は守られたばかりのバカ兄貴だったっと
/ 158ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp