第8章 それぞれの神様
うーん
好きとはなんだ?
僕が思っている好きと
仁王君が思っている好きは
違うような気がする
仁「じゃ、ここだけの約束を言いんしゃい」
『約束?』
仁「そうじゃよ。そうすりゃー、コイツらの視線は軽くなるぜよ」
『約束』
仁「何も難しい事はないぜよ」
『それでは?』
仁「次、簡単に死ぬ発言したら俺達はお前さんをずっと見る事じゃ」
『え、何その地味なヤツ』
仁「お前さんはたしか、よく気配を消しておるよな?」
『そうですけど』
仁「なら、」
『あ、わかりました。その地味なヤツはやめてください』
仁「わかればいいんじゃ」
仁王君は悪戯っぽい笑顔を浮かべている
目立つのは嫌だから気配を消す
学校で注目度の高いテニス部
つまりは、登校から下校までテニス部の誰かと一緒にいさせようとの魂胆だ
地味だけど、1番効く
『では、僕からの約束です』
仁「なんじゃ」
『勝手な行動はしないようにしてください』
仁「わかっとる」
そう言うとまた抱きしめた
正直、暖かい
このままずっとここに居たいと思った
だけど、そんな事は一生無理だ
僕はこの人を守れないから
仁「俺が守るぜよ」
『!』
仁王君が小声で言った
周りには聞こえていないようだ
幸「仁王、もういいかな」
仁「わかったぜよ」
仁王君は渋々離れていく
その後
僕は幸村君の盛大な笑みを貰った
そこから他の人たちに叱られた
みんなの話しを聞いて疲れた僕は
教室の隅に行く
仁「クックック......」
『......人の顔を見て笑わないでください』
仁「すまんのう」
それでもまだ笑っている
仁「それ、疲れたじゃろ」
仁王君の手には紙コップが握られていた
『ありがとうございます』
僕はそれを受け取って一口飲んだ
麻「あああ!!!」
麻央が急に大きな声をあげた
眞「何よ!」
麻「思い出したんだよ!」
眞「何を!」
麻「アイツらの正体!」
眞「なんだって!」
騒がしいな
麗「じゃあ、聞こうかな?」
麻「お前ら、三神だろ?」
赤・黄「「『......』」」
口に出せるはずがない
タイミングの悪い所で言ってきたな
眞「じゃあ」
麻「本当の神様さ」
......
全員がフリーズしている
麗「否定しないのは?」
麗華め