第13章 はじまる
白川側
『知りたいですか?』
仁王君の質問に質問で返すと皆が頷いた
『午前は皆に話した通り、入社式に行ってきました』
僕はポケットからカードを取り出す
そこには僕の顔写真、名前、生年月日などか書かれてある
仁王君に渡すと疑問が浮かんだような顔をした
仁「この住所、どっかで見た事あるぜよ」
『ええ』
勿論、そのカードには現住所も書かれてある
仁王君は柳君に見せると
柳「!」
柳君は驚いた顔をしていた
柳「もう1枚、あるはずだ」
『はい、ありますよ』
僕はもう片方のポケットに手を突っ込んでカードを取り出す
皆は驚いた顔をした
『午後は、此処に行ってました』
カードをヒラヒラさせて言った
柳生「では、白川さんは」
『はい、午後は入学式に行ってきました。此処のですけどね』
皆の顔がパァっと明るくなった
幸「じゃあ、あの時の答えは?」
『主に出席日数が足りなかったのでまだわかりませんでした。11月のある事は』
丸「まさか!一般受験かよぃ!」
『はい』
11月のある事とは、此処の大学の一般受験だ
他の人とは違い日程を少しだけ遅らせて受けたのだ
ジャ「じゃあ、引っ越しは?」
『ここの寮で暮らすための準備ですよ』
3月の中旬に此処に引っ越した
だけど、朝早くから夜遅くまで仕事場に行くために
皆とすれ違う事がなかったのだ
『これで願いが叶いましたね。僕のも、皆さんのも』
などと少し笑顔で言ってしまった
少しだけ恥ずかしいかな
仁「お前さんな」
仁王君は嬉しそうに僕を抱きしめた
『これで楽しい学生生活が送れますね』
仁「参ったぜよ」
幸「じゃあ、そのままテニス部のマネージャーになって貰おうかな?」
『わかりました。そう言う約束でしたからね』
丸「今度こそ天才的な所を見せてやるよぃ!」
ジャ「絶対に負けられないな」
柳生「これからもよろしくお願いしますね」
真「お前の働きには感謝しっぱなしだからな」
柳「これからも頼むぞ」
切「俺も絶対此処に入るぜ!」
幸「これからが楽しみだね」
仁「離さんからな、絶対に」
『全く、皆さんは』
こんな生活も悪くないかもしれない
一度だけでもいい
こんなに心が許せる相手がいるこの環境で
一緒に暮らしてみたい
それが僕の願い事