第12章 決意と覚悟
脱衣所から出て皆に出たと知らせないと
そう思っても体は走り出せない
『不便......』
仕方なくトボトボと歩いて皆の所へいった
『お風呂、空きました、よ?』
皆は僕の方を向くと赤面しているように見えた
この時期にはまだ暑い長ズボン
黒のTシャツに黒のパーカーを着ている
仕事着じゃないよ
『どうか、した?』
と言うと足早に仁王君が目の前に来て抱き寄せた
胸に耳を当ててみればいつもより鼓動が速かった
顔を上に上げてみると
仁王君の顔は少しだけ嬉しそうに見えた
『あの』
仁「お前さんな」
『?』
仁「......なんでもなか」
そう言って僕は開放された
皆は赤面したまま目を合わせずに風呂場に走って行った
黄「いつもと違う氷月に見とれたんだよ」
赤「髪を結んでいる位置が違うから、別人に見えたんだ」
上風「好きです!」
『お断り』
上風「ガーン!」
見とれたね、こんなヤツにか
3人も歩いて風呂場に向かった
僕は自分の部屋に戻ってベットに倒れた
『うーん?』
さっきの事を考える
仁王側
黄「俺の妹は美人だろ!」
雷地は1人でずっと言っておる
菊「見間違えたニャー!」
桃「すっげぇー綺麗だった!」
忍「髪の毛のを結ぶ位置であんなに変わるんやな」
日「そうですね」
幸「クス、欲しくなっちゃった」
仁「やらんぜよ」
周りは俺達が出来ている事を知っておる
まあ、あの時にあれだけすればな
切「先輩には勿体ないッス!」
不「僕も駄目かな?」
跡「アーン?」
仁「やらんて」
しかも、風呂上がりで火照っておったから
色っぽく見えた
ああやって見ると普通の女の子なんじゃな
黄「そうなんだよねー」
幸「普通に見ればね」
赤「まあな」
仁「読むな」
黄・幸・赤「「何が?」」
コイツらには付き合いきれん
俺は先に風呂から出た
適当に髪を拭いてから氷月の部屋に向かう
仁「おるか?」
扉をノックしても反応はない
寝たか?
自分の部屋に戻って窓の外を見る
今日も雲1つない夜空が広がっておる
下を見ると
さっきの袋を持った氷月の姿が見えた
仁「フッ...」
部屋から出て後を追った