第12章 決意と覚悟
白川
目を開けたらベットで寝ていた
だけど、昨日はベットで寝ていたか?
目を擦りながら起き上がり窓を見る
日はかなり上がって、夕方じゃん
凍「お早いお目覚めですね」
扉にもたれて笑顔で言ってくる
『皮肉かな?』
凍「たまには」
はぁ、この子も性格が汚れてしまったな
てか、ここ自分の部屋じゃないな
凍「仁王様のお部屋ですよ。柳生様も」
『なんで?』
凍「覚えていらっしゃらないのですか?」
『なんにも』
たしか、仁王君に誘われるまま泣いた
大声で泣いてしまえば迷惑かと思って声を殺した
だけど、体は正直で仁王君の来ている服を強く握った
途中から頭を撫でられれているのに気づいたけど
それが気持ちよくって、暖かくって
......
『もしかして......』
凍「正解です』
なんてこったい
そのまま泣き疲れて寝たのか!
でも、何処で寝たのかさっぱり覚えてない
凍「まあ、寝た所は後で。それよりも、これを」
凍真は手に持っていた長い袋を渡してきた
『......』
袋の中に入っているのは、見なくてもわかる
凍「しっかり渡しましたから」
『うん、受け取ったよ。今井さんに言っといて』
凍「わかりました」
凍真はそのまま消えた
袋に目を落として両手で握って確認した
今の僕には使える代物
だけど、他の人には見せてはいけない代物でもある
仁「ようやっと起きたか」
柳生「おはようございます」
『あ、おはようございます?』
どうやら帰ってきたようだ
柳生「まあ、時間帯ですしね」
柳生君は苦笑した
ベットから急いで立った
仁「別に座っていても構わんよ」
『いえ』
仁王君は自分のベットに座り隣をポンポンと叩いている
『では、お言葉に甘えて』
腰をおろした
目の前のベットには柳生君が腰かけていた
2人とも部活動の格好だ
仁「ご飯はもうちっと後じゃよ」
『そうですか』
柳生「1日寝ていましたね」
『起こしてくれてもよかったではないですか?』
柳生「赤間君が寝かしとけと言ったので」
炎方め
仁「最近、よく寝とらんと聞いてな」
悪戯な笑顔で言われても
書類とか、始末書とか、報告書とか
あー、なんか頭痛が
『あ、まあ』
仁「それなんじゃ?」
『凍真がさっき届けてくれました』