第12章 決意と覚悟
僕は報告書に
仕事は成功し元もたった
彼らの記憶からも削除が確認された
などを書いたが訂正しないといけないな
上風「書き直しは基本駄目だって!」
『基本だろ?』
赤「やめておけって!」
黄「それに今井さんがもう送ったって」
『なんで?』
確かに鞄に入れたはずなんだけどな
寝ているうちに取られたな
そこからあらいざらい吐かされて
部屋に行ったのは日付が変わった頃だ
『寝れない』
部屋から出て庭を散歩する事にした
秋の涼しい風が吹く中
綺麗に咲いているガーデニングを歩く
昨日の今日で疲れたがこれで隠しごとなないと思うと
さっぱりした気分になった
今日は満月か
空を見ると丸い月が顔を出している
庭の開けた場所に立って見ると月がとても綺麗だ
仁「何をしとるんじゃ?」
振り返ると月光で輝いて見えた銀髪が目に入った
『......』
その銀髪は日中に見るのとは違った輝きを放っていた
仁「見とれたか?」
『はぁ、それを自分から言ってしまえば台無しですね』
仁「クックック......そうか」
仁王君は僕の目の前までやってくると僕を優しく包んだ
仁「怖かったぜよ、夏休みになんの連絡もなかったんじゃ」
『すませんでした』
背中に回された仁王君の腕がとても暖かい
このまま眠れそうな気がしてならない
仁「忘れておってすまんかったな」
『こっちがやったのですから、少しだけ後悔はしましたが』
そう、あの時救ってくれた彼の温もりは彼から奪いたくなかった
だけど、仕事ではそれは厳禁なために全てを消した
仁「これ、お前さんに返すぜよ」
『?』
仁王君はネックレスを指さした
『いえ、そのまま持っていてください』
仁「じゃが」
『僕の居場所の印として』
仁「......」
『卒業したら、本格的にあそこで働きます。その時、僕が簡単に死なないように持っていてください』
仁「そうきたか」
仁王君は苦笑した
仁「好いとぉよ、氷月」
『急に、僕も好きですよ仁王君』
仁「その呼び方は変わらんのか?」
『変える気がありません』
仁「そうか、なら」
顔が近くなり、唇を強引に持っていかれた
仁「お仕置きじゃ」
『それでも当分はこのままで行かせてください。心臓に悪いので』
仁「仕方ないのう」