第11章 闇の世界と光の世界
白川側
色が戻った世界は素晴らしい
なんと思っている暇はなかった
『仁王君、最後の仕上げに行きますので離してください』
仁「必ず戻ってくるか?」
『勿論です』
その温もりにはもっと包まれていたい
仁王君は僕から離れると香波を見る
なんせ怪異のボスが苦しんでいる
『マリオネットの術が無効になった時、術者に反動が来ます。それで今は苦しんでいるのでしょう』
僕は立ち上がる
『ッ!炎方め』
炎方に殴られた所は想像以上に痛かった
僕はよろけながらも2人の元へ行った
『痛いんですけど』
赤「攻撃神は手加減が出来んのでな」
黄「わりとガチで殴ったくせに」
『最後、だといいですね』
赤「残業はお断り」
黄「キャッチセールスもお断り」
赤「『関係ない』」
黄「そんな......」
香「氷月!私の!氷月!!」
香波はとても苦しんで叫んでいる
黄「ご主人が呼んでるぞー」
『知らん』
赤「さっさと片付けようよ」
緊迫感がないって?
では逆に聞こう
この話の何処に緊迫感はあったか?
まあ、最後までこのテンションはマズいよな
『2割』
赤「動くなら」
黄「今でしょ」
......
黄「すいませんでした」
突如黒い触手が香波の背中からいくつも出ていた
触手は僕らに向かってくるようだ
僕らは跳躍しその場を飛び去る
黄「わおう」
赤「関心している場合じゃないね」
『3割』
赤「氷月、結界は?」
『まだ』
黄「んじゃ」
僕達は片方のブレスレットを外して天高く投げた
黄「来よ!我が雷の獣!」
赤「来よ!我が炎の獣!」
『来よ!我が氷の獣!』
天高く投げたブレスレットは形を変え
毛並みの整った狼が現れた
『彼らを守っていただけますか?凍真』
凍「わかりました」
赤「頼んだぞ、火真」
火「お任せあれ」
黄「よろしく、電真」
電「勿論です」
狼は僕らを離れて人間達の元へ行くと
ワオォォォーーーン
高らかに遠吠えすると彼らに結界が張られた
僕らはそれを見届けるて香波を見る
黄「じゃあ、本気と行きますか」
赤「これなら出来るな」
『さっさと着替えましょう』
僕らは胸の前で両手を合わせた