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仕事は幽霊退治

第10章 現在地


仁王側

『母さんの、ネックレス』

氷月が自分から口を開いた

仁「これは俺の大切なやつから渡されたもんじゃ」

そう言うと氷月は顔を上げた

瞳には光は宿っていない

仁「神様なんて信じておらんかった。じゃが、お前さん達と見ておると本当におるかもしれんな」

そう神様なんて信じておらん

じゃが、コイツらに助けられて神様じゃと言われたら

何故か信じてしまった

大人びた容姿、冷静な判断、的確な指示

どれをとっても桁違いじゃ

そこら辺が少し怖く感じて負った

じゃが、今回の事で雷地や炎方から聞いた時には

納得してしまった

『に、お......』

仁「!」

名前ではないが氷月が呼んだ

顔を覗くとずっと俺の事を見ておる

仁「残念じゃが、ちと惜しいぜよ」

氷月の肩に顔を埋め、強く抱きしめる






白川側

なんとなく呼んだ名前に男は反応した

それをきっかけに走馬灯のように

頭に情報が叩き込まれる

学校の屋上で一緒に居た時

学校の部活でドリンクを渡した時

学校の帰り道を送って貰った時

この男からは多くの物を貰った

『!......仁王、雅治』

仁「!!」

男は驚いて離れ、僕の顔を覗き込む

次第に僕の視界に色が宿る

そうだ、なんで忘れていたのだろう

こんなにも大事な事を






仁王側

ハッキリと俺の名前よ呼んだ

それに驚いて顔を見れば

瞳に光が宿って行った

『仁王君、ですね?』

仁「ああ、そうじゃき」

『クスッ、よかった合っていて』

笑った

とても嬉しそうに笑っておる

振り返って皆の顔を見た

柳生「やりましたね」

仁「ああ、奪い取ってやったぜよ」

幸「今度は俺の番かな?」

丸「ゆ、幸村、それくらいにしといてくれよぃ」

『仁王君、僕の居場所とは?』

向き直して見ると

疑問を浮かべた顔で聞いてきた

仁「お前さんの居場所は、俺の腕の中じゃ」

『!』

氷月は頬を赤らめて顔を下に向けた

仁「好いとおよ、お前さんの事が、全部」

俺は強く抱きしめた

俺の背中に腕が回った

『僕も、仁王君の事が好きですよ』

平然と言い寄った

顔は見えんが俺は幸せじゃ

こんな場所じゃなきゃな
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