
第7章 恋の策謀事件(下)

「私は各地を回診してまわりながら旅を続けています。これまでに様々な患者様を見届けてきました。一番厄介だったのはゴーゴンでひどい癇癪持ちでしたから治すのに時間と日数がたくさん要りました。こうした行いをもっと世間に知らせるべきだと私は思うのです。」
マギーは淡々と述べ医療書を手にページを開いた。
「なるほど。悪魔界において医療を知り尽くすことは大変名誉あることなのである。このことは再度みんなに周知してもらい改めて考える場を与えるのはどうだろう?」
エドガーはマギーに聞いた。
「私は賛成ですわ。皆様もどうかしら?」
マギーが促すとみんなが頷いたのでこの議論は持ち越しとなった。
「さてお次の議題へ移ろう。さてこの城に危険人物がいると聞いているが単なる噂だろうか?」
「いや、曲者がどこかにいるはずだ。絶対に捕まえてみせますとも。」
アキレーは自信たっぷりにエドガーに言い放った。
ぎくり!!ケンタウロス、ディオ、ウンディーネはこの時、体が固まっていくのがわかった。正しく図星であるがこんなことを知られてはならないのだ。なのでなるべく平然といるように心がけた。
「そう言えばサタン達3人に聞きたいがお前らの学校の生徒が亡くなったらしいな。」
アキレーがサタンの前に立ちはだかった。
「そうです、アキレー様。でも僕らにはあまり関係のないことなんでなんとも。」
サタンは呆れてお手上げポーズをとった。
「でも前にアフロディティーが言ってたカリス達というのが気になるな。あれだけは聞いておきたかったな。」
アマイモンは残念そうにため息をついた。
アキレーガ”カリス達?”と聞き返したのでアマイモンは続けた。
「彼女がまだ生きていた頃、魔法の宝帯の伝説について聞いたことがあったんですよ。でも彼女も詳しいことはカリス達に聞かないとわからなと言っていました。」
「それはかなり気になるな。そのことはサタン、エリゴス、アマイモンの3人に調べて結果を報告してもらおう。それにしても曲者が城に忍び込んだとしたら門番は何をやっていたんだ?」
エドガーが言葉を荒げているとどこからか声がした。
「一体何事だ!?」
「これは、これはイェソド女王様いかがなさいましたか?」
その声はこの城を守るイェソド女王さまでした。
「曲者が忍び込んだじゃと?もし違っておったらどうするんじゃ?私を巻き込んで笑わせるんじゃないぞ。」
