第7章 恋の策謀事件(下)
ウンディーネはこの夜眠れず何度も起きては彼のことを考えていた。
「あれは本当の優しさなのかしら?だとしたら何故親切にしてくれるの?」
そう思っているうちに夜が明けた。
「おはよう。」
ケンタウロスとディオがけだるけに起きて伸びた。
「あれ?ウンディーネ・・・どこ行っちゃたんだろう?」
ディオがあたりを見回すとウンディーネの姿は無かった。その頃ウンディーネは昨日の場所でミカエルから証明書をもらっていたのだ。そして忍び足で部屋に戻るとトイレに行っていたと2人には嘘をついてやり過ごした。
「うわ、それは何?」
ケンタウロスがウンディーネの手にしていた紙を見て言った。
「今日の会議の証明書らしいわね。トイレに行く途中で落ちてたらか拾ったの。でも3枚しかないから。ガイア、キューピッド、ユニには断念してもらいましょう。」
「これが偶然だとしたらすごいな。」
ディオもケンタウロスも驚きのあまり口を大きく開けてぽかーんとしていた。
「朝食の後に3人には知らせればいいわね。って聞いてるの?」
「あ・・・えっとうん。」
この日は朝食後に悪魔達の会議が始まる。ウンディーネはミカエルも来る?と尋ねた。
「もちろん。」
と、ミカエルは答えてくれた。
彼が出席するなんて楽しみね。とワクワクしながら朝食へと向かった。
会議の間はユニ、キューピッド、ガイアには周辺の調査をしてもらうことにした。
「バレないようにうまくやるのよ。」
「そっちもね。」
お互いに確認し合ってそれぞれ別れた。
そして悪魔の会議が始まった。そこには様々な悪魔達がおりアキレーやワル達、ヘルメス、ヘファイストスの姿があった。
「ヘルメスとヘファイストスはまだいたのか?」
ディオがケンタウロスとウンディーネにそっと耳打ちした。
「あの2人は悪魔だったかしら?そんなことないわよね。」
みんながざわついていると”静かに!”と声を上げゴングを鳴らした者がいた。
「あの人は誰?」
ウンディーネが首をかしげていると近くにいたミカエルがこっそり教えてくれた。
「エドガー司祭長だよ。」
「なるほど。ありがとう。」
「さて、まずは何から話そうか。」
エドガーは咳払いをした。
「悪魔界における医療はどうでしょうか?」
そこにマーガレットことマギーが発言した。
「よろしい。続けて。」
エドガーが頷いた。
