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時と光と風の中で

第7章  恋の策謀事件(下)


ウンディーネはそう聞かれた時黙って俯いているしかできなかった。そんな彼女をミカエルは優しく抱きしめてくれた。
「ごめんなさいね。あなたのことを信じてあげたいけれど、人は簡単に信用しちゃいけないって私のママがそう言ってたから。えっと私はウンディーネ。証明書は何枚手配出来るの?」
「あいにく3枚しか・・・。」
ミカエルは残念そうにそう言った。
「わかったわ。それでいいわ。ありがとう。」
「明日の朝ここに来て取りに行くんだ。いいね?」
ミカエルは彼女に言い聞かせた。
「ええ、もしあなたが私を裏切って罵倒するなんてことになったら私は水に帰らなくてはいけないの。これは私の住んでいたところの決まりなの。お願いだからそれだけは・・・。」
「もちろんさ。心配はいらないよ。このことは誰にも言わない。だから君はもう帰るんだ。」
ウンディーネは彼の名前を思い出しながら教えられた未秘を帰って言った。

「ただいま。」
「やあ、ウンディーネ随分遅かったね。てっきり正体がバレて捕まったのかと思って随分心配したんだよ。」
ケンタウロスがウンディーネに飛びついてきたのでそれを払い除けてウンディーネは笑顔でこう言った。
「ちょっとトイレに行ってただけよ。広くて迷子になりそうだったわ。気を付けないと見つかっちゃうわね。さて、明日も早いから寝ましょう。」
彼に会ったなんてこの時は言えなかった。そして3人は歯を磨き布団に潜り込むと目を閉じて眠りに就いた。
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