第7章 恋の策謀事件(下)
この日の夕食も終わりウンディーネ達は部屋に帰る所だった。
「ガイア達も明日は悪魔達の行動に注目するそうよ。」
ウンディーネが小声でケンタウロスとディオに促した。
「明日は悪魔たちの会議があるんだってね。うまく潜り込めればいいんだけどな。証明書がないと無理なんだろう?」
キューピッドの話によると明日は悪魔達の会議があるらしい。その会議に出席するには証明書が必要となるからだ。しかしケンタウロス達は証明書を持っていないため明日はどう過ごすか考えていた。
「証明書っていうのはどこからもらえるのかしらね?」
ウンディーネががっくり肩を落とした。
「明日考えればいいよ。」
ディオは笑顔で部屋へと向かって行った。
「ちょっと、待ちなさいよ。」
続けてケンタウロスも”今更証明書のことを聞き出すなんて無理だよ。怪しまれてバレるだけだと思うよ”と部屋へと歩いて行った。
「折角のチャンスだったのに。」
ウンディーネはがっかりした。この会議に出席すればいろんな悪魔達を観察できるチャンスだったからだ。
「どうしよう・・・。」
するとどこからか声がした。
「こっちへ来い!」
「え?何?」
ウンディーネは暗闇で誰かに腕を引っ張られた。
ー正体がバレたのかしら?殺されちゃうー
ウンディーネは心の中で必死に祈った。
神様・・・いやみんな神よね。私の四大精霊様どうか・・・お助けください!!
ウンディーネは暗闇で見えない誰かに恐怖心を覚えた。これがもしアキレーだったら即殺されてしまうかもしれない。又はワル達だったらきっとアキレーに告げ口するに違いないと思ったからだ。本当はこの誰かの手を振り払って逃げたかった。しかし誰かの手はウンディーネの腕を強く掴んでいたため離すことができなかったのである。
ーああ、この私の腕を掴んでいる人に聞きたい。あなたはだれなの?って。ー
でもそれを聞いたら一貫の終わりかもしれない。それにしてもこの人は私をどこへ連れて行くつもりなのかしら?
ウンディーネの心は恐怖心から次第に疑惑へと変わっていった。
果たしてウンディーネの腕を掴んでいるのは誰なのだろうか?
暗くて見えない中騒がしい人々の声が次第に遠のいていく。この人は一体・・・!?