• テキストサイズ

時と光と風の中で

第7章  恋の策謀事件(下)


食事が終わったあとケンタウロスとディオ、ウンディーネは今までのアフロディティーのサンダルから出てきた紙切れや遺体のそばにあった紙切れを図書館で研究することにした。
「あっ!よくみるとどれも同じ字の書き方だな。」
ケンタウロスが紙切れを見て驚いた。
「そうなのよ。書き方が同じってことは同一人物が書いたのね。それにしても誰がやったのかしら?」
ウンディーネが頭を悩ませていた。
「なんとかならないのかな?」
ディオが頷いて言った。
紙切れの字がどれも同じ書き方ということは同じ人が書いたということであろう。それがしかし誰なのか真相が掴めないでいる。
”サンダルを返して欲しければ俺の恋人になるんだな”これが最初の紙切れである。これはよく見る脅し文句の一つだ。
「恋人って書いてあるのだから女性が書いたのでは変よね。」
「ってことは男性になるのか。確かに殴り書いた様な字だな。」
ウンディーネの言葉にケンタウロスが合わせた。
どの紙切れも殴り書いたような字だったためこれは男性が書いたに違いないと思ったのだ。
「ウンディーネとディオはあとは何を見たのかい?」
ケンタウロスが遺体を発見した時の様子を聞いた。
「あまり大きな声で言えないから小声で話すわね。」
ウンディーネはひと呼吸おいてから話始めた。
「アフロディティーとマールスの2人は網で巻きついていたわ。お互いに抱き合っているようだったわ。」
そしてディオがこう付け足した。
「でも不思議なのは何故彼らは殺されなければならなかったのかということだ。きっと犯人は2人のどちらかを恨んでいたのかもしれないね。」
「なるほど。嫉妬心が煽られたってことかな?」
「そうかもしれないな。」
ディオが頷いた。
「とにかくこの文字の書き方を分析する必要がああるわ。それと犯人は網をどこで手に入れたかよね。もしも私達の学校の生徒が犯人なら網を手に入れるのは困難よね。だって学校の許可が下りないと外出できないわよね。」
ウンディーネが小声で訴えた。
「でも計画的な犯行なら夏休みとかその時から準備していたんじゃない?夏休みはそれぞれみんな家に帰るだろうからね。」
ディオは2人に問い掛けた。
学校の女子寮の一室で起こったサンダル盗難事件から始まったとされるこの事件。まず部外者の侵入は無理だろうと3人は考えたのだ。だとしたら学校の生徒の誰かだろうとディオは考えた。
/ 261ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp