第6章 恋の策謀事件(上)
翌日になった。あのアフロディティーの件以来特に変わったことはなかったのです。でもアフロディティーは不安でいっぱいだった。もしあのサンダルがいらないと言ったら犯人はどんな反応をするのだろう。そしてキューピッドも彼女のためになんとかしないとと一生懸命に考えていた。自分にできる何かをしてあげたいという思いはますます強くなっていった。
「やあ、アフロディティーおはよう。」
キューピッドは彼女に笑顔を振りまいて彼女からの不安を消そうとした。
「おはよう。」
最近のデートでも彼女はそっけない態度を取っていたがあれはサンダルが盗まれたのが心の中に引っかかってるからだとキューピッドは自分に言い聞かせていた。
「辛いのはわかるけどさ。デートの時くらい・・・。」
キューピッドが彼女に言ったその時だった。
「あなたに何がわかるって言うのよ?こんな時に笑顔になんかなれないわよ。私の気持ちも知らないでよくも言えたわね。」
アフロディティーはテーブルを叩き叫ぶとキューピッドの頬を平手打ちした。
「私はあなたの遊びに付き合っている暇はないんです。こっちは真剣なのに・・・私の身に何かあったらどうしてくれるの?」
「そんな言い方しなくてもいいだろう?僕だってサンダルの件が引っかかってるのはわかってるんだよ。でもいつまでもそっけないとイライラするんだよね。」
キューピッドが頬を膨らませて彼女の前に立ちはだかりました。
「キューピッド、アフロディティーおはよう・・・って僕らはいない方がよかったのかな?」
そこに丁度ケンタウロスとユニ、ディオがやって来たが2人の喧嘩の邪魔はしてわいけないと過ぎ去った。
「遊びって・・・僕らは真剣に交際してるんじゃなかったのかよ?」
キューピッドが彼女の腕を引っ張ったのだ。
「痛い!離してよ!」
彼女は必死に抵抗した。
「でも最近のアフロディティーはどうかしてるよ。この前僕があげた花束を嬉しそうに受け取ってくれたのに数日経ってやっぱりいらないなんておかしいよ。カバンの中に見慣れない歯ブラシがあったけどどういうことだよ?」
キューピッドは彼女を攻めた。
「勝手に人の物を見ないでよね。別に私のなんだからいいじゃない。もう放っておいてちょうだい。」
アフロディティーは彼から逃れて去って行った。これは何かの前触れでしょうか?
