第7章 おかしな烏野高校排球部
* * *
「…」
「伊鶴ー」
「…」
「伊鶴?」
「…」
「あーあー完璧に機嫌損ねちゃった」
誰の所為だよ。
先程の押し問答で、コイツに説教垂れたって何の効力も持たないな改めて実感し、無視決め込む事にしました。そして現在潔子先輩に抱き付いて癒させてもらってます。潔子先輩心配しながら撫でてくれてる。優しい、好き。
「伊鶴ヒドイよねー。日頃お世話になってるお礼にちっちゃい頃の話しただけなのにー。あんなに怒ることなくない?」
「いや、どう考えてもそれは怒りますよ」
「えーそうかなー。そういうモン?」
「…分かっててやったんデスネ」
「さぁ。どうかな~」
月島さん、分かっててやるやつですよコイツは。潔子先輩の肩に顔を埋めつつ毒を吐く。月島さんが「うわぁ」と小さくドン引いている。月島さんも本気で引くレベルの鴨一兄さん何なの。悪魔なの?
「そーいや伊鶴がいつも言ってる先輩は、あっ」
うわ、嫌な予感する。
(潔子先輩、逃げましょう)
(えっ?)
(良いから早く!)
ぼそぼそと潔子先輩に逃走を促す。戸惑う潔子先輩から自身の体を離してすぐさま立ち上がり、潔子先輩の手を掴み立ち上がらせようとした。次の瞬間、
「あ、きみが潔子ちゃん?」
その声が聞こえた瞬間自分の額を手で叩きました。遅かったかチクショウ。