第7章 おかしな烏野高校排球部
「瀬戸、大丈夫か?」
「えっ?」
うげーと顔を顰めていると、隣に立つ影山さんが問い掛けてきた。その顔には憂色が色濃く見える。苛立ちに満ち溢れた今の心境には地獄に仏である。影山さんに後光が見える。
「はい、大丈夫ですよ。いつも兄さんの前ではこんなんですし。……まあ、今日はいつもより、酷いかもですけど」
「そ、そうなのか…」
たかが兄さんが来ただけで何でこんなイラついてるのか分からない。あれかな、授業参観の日に来ないでって言ったのに来ちゃってた親に対する感情。それとはまた違うか。
「あーあー。昔はかっわいかったのになー伊鶴」
何を急に言い出すかコイツ。
「鴨一さん!昔の瀬戸ってどんな感じだったんですか?!」
「おっ。食いつくねースガくん。いいよいいよー。とっておきの話をしてあげよう」
「えっ、ちょ、」
「「「「あざース!!」」」」
遮る前に皆さんがめちゃくちゃ良い笑顔で兄さんに礼を言う。いやいやいやいやあざースじゃないですよ。ていうか兄さんは何の話する気だ張り倒すぞコラ。
「あれは伊鶴が4歳で俺が8歳の時だったかなー」
「「「「おおっ!!」」」」
「ちょっと兄さん何勝手に、ムゴッ!!」
「はいはーい邪魔しないのー」