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【ハイキュー!!】行け!烏野高校排球部

第7章 おかしな烏野高校排球部


「瀬戸……?」
「え? …あっ」
影山さんの不安気な声に一瞬疑問を覚えるが、すぐさま自分の発言に対するものだと気付き、反射的に口を押さえる。しかし完璧に無意味である。
しまった、またやっちまったよ。もう今更こんな行動は無駄な悪足掻きに過ぎないか。すでに先程も聞かれているわけだし。ええいもう開き直ってやる。
「何でそう俺に対してだけそんな口悪いの?」
「さあ、兄さんだからじゃない?」
「おおっ。俺だけ特別かい?嬉しいなー」
「…ねじ一本吹っ飛んでるじゃない?」
皮肉のつもりで放った言葉に、何故か喜々とする兄さんにげんなりとする。そして、その喜びの中に、『こういう事言えば嫌がるだろうな』という嫌がらせの成分も含まれている事に嫌悪感を催した。


「と、特別…」
西谷先輩が真剣な面持ちでその言葉を反芻した。何事かと見詰めるとバッと田中先輩を見る。田中先輩も厳粛な雰囲気を纏っていた。
「なあ龍…今の、聞いたか?」
「ああ。聞いてたぜノヤっさん…」
「瀬戸の、特別ってことは…てことはだぞ…」
二人はそう会話し合うと、ゆっくりと鴨一兄さんへと視線を動かす。視線に気付いた鴨一兄さんはニコーと意味有り気に微笑んだ。すると二人はビクッと肩を撥ねさせて顔を逸らした。
あの笑顔が怖いのは納得だけど、さっきの会話は何だったのかと疑問が残った。

さっきより何故か機嫌が良くなったのか、鴨一兄さんの笑顔に明るさが増している。










……不幸が塊で振ってきそうなくらい嫌なことが起きそうだ。


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