第9章 計算と本音【澤村 大地】
心臓が口から出そうになる。
「っ、□□っ!?」
「〇〇ちゃん!?」
2人して後ずさって、
□□から距離をとる。
何故って?
これはめちゃくちゃキレてる。
『ねぇ、結?
こんな汚いやり方で
澤村があんたのものになると思う?^^』
笑ってない目で
笑顔を作る□□。
「あ、あ…の、
ごめ…」
顔面蒼白な道宮。
『澤村…何ですぐ断らなかったの?
結と付き合いたいの?』
俺にも鋭い目つきで
睨んでくる。
「ち、ちが…
すまん…
突然過ぎて、反応できなかった汗」
俺は正直に謝る。
……が、簡単に
許してくれそうにもない。
『本当に?
化粧までバッチリしちゃってさ…
略奪する気満々じゃん?
そんな結にのこのこついていって
キスされそうになるとか………』
怒りを通り過ぎて
もはや泣きそうになってる□□
あー、俺は何やってんだ。
俺は彼女を抱きしめて
「道宮すまん。
俺には□□しかいないから。
道宮とは付き合えない。
ごめんな。」
と言って、道宮をフッた。
そして足早に□□を家まで連れ帰った。
後ろは振り返っていない。
俺にはちゃんと大切にしないといけないものがあるだろ。