第5章 トラウマ
幸村側
幸「じゃあ、先生に呼ばれてから一度も教室に戻って来てないんだ」
柳「そうだ」
俺達はいつものように白川のいる教室で来たのだが
蓮二の話によると
朝に先生に呼ばれ
そこから昼まで帰って来てないのだ
真「サボりなのか?」
柳生「保健室かもしれませんよ。顔色が悪かったので」
南「確かにねー、真っ青だったもんね」
白川がどこにいるのか大体は検討出来たが
幸「それで、仁王は?」
3時間目にサボると言って出て行ったのだ
柳生「どこかで寝ているかもしれませんね」
真「全く、たるんどる!」
南「あ、今日2回目」
柳「高校に入ってからは30は超えているぞ」
幸「蓮二の書いたノートを見てみたくなったな」
ガラガラ...
扉が開いた
見るとそこには白川と仁王がこっちに向かってきている
『今日も居るのですか?』
幸「君が受けてくれるまでと言ったじゃないか」
『はぁ......』
白川はため息を零しながら自分の席に座った
鞄から出てきたのは
ペットボトルのお茶と1つのおにぎり
真「それで足りるのか?」
『はい、足ります』
白川は窓の外を見る
幸「仁王、何をしていたんだ?」
仁「ん?サボり場所がないかと思って歩いて居ったら藤岡先生に捕まったんじゃ」
藤岡先生ね
柳生「それからは?」
仁「藤岡先生の話を聞いておったら授業が終わっただけじゃ」
柳「そこで白川に会ったと」
仁「そうじゃ」
へー、でも
幸「それで?本当はどこで会ったのかな?」
仁「はぁ、その藤岡先生の居った部屋に白川が居ったんじゃ」
南「何か相談でもしていたのですか?白川君」
『呼び出されて、将来の事について語られていた所に仁王君が部屋に入ってきたのです』
顔色が随分よくなっているな
こちらを向いたと思うと白川はすぐに外を見てしまう
以前も外について質問をしたが、わからないと返ってきた
南「みんな、深刻な顔をしていますよ?どうしたの?」
そう言えば、三輝に言うのを忘れていたな
幸「後で話すよ」
ガタン!
突然、白川が外を向きながら立ちあがった
『優真......』
白川はそう言うと教室を走って出て行った