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古きパートナー

第19章 面倒


氷月は双子に歩み寄るゆっくりと

じゃが、違った

「「!!」」

少しだけ微笑んでおった

氷月は片手で蒔苗の頭を優しくなでた

『僕は明日が欲しかった。それだけで人を何人も殺してきた。血も涙もないと言われても、化け物や鬼、悪魔と言われてもどうでもいいです』

蒔「氷月...先輩...」

腰を折って視線をおろし、蒔苗と正面に向き合う

『君達の幸せを奪った事には謝ります。すいませんでした。けど彼らを巻き込まなくてありがとうございました。僕からはそれだけです』

蒔「氷月先輩、先輩っ!」

涙をボロボロと流しながら蒔苗は氷月の首に腕を回し

氷月の胸の中で大粒の涙を流しておった

蒔「ごめんなさい!ごめんなさいっ!」

鼻を啜りながら、嗚咽を零しながら、しっかりと口からこぼれた言葉

『いいですよ。大丈夫ですから』

暖かい言葉を投げ、優しく背中を擦っておった

俺達は彼女達が仲直りしてくれたと思っておったが

立海メンバー以外の2校のヤツはら複雑な気持ちを抱えておった

『(シー...)』

誰か何かを言いそうになったのか氷月は人差し指を立ててジェスチャーを送った

暫くしてから嗚咽が聞こえんくなった

明「蒔苗...」

『泣きつかれたんでしょう。今は寝ていますよ』

しっかりと支えられた蒔苗の体は脱力しており

それでも首に回されておる腕の拘束はとれんかった

『はぁ、仕方がない』

半ば強引に腕を取り外し壁にもたれさせるように座らせた

蒔「スー...」

静かに隣に座った明奈は妹の頭を撫でてやっておる

氷月は微笑みながら2人を見つめると

真剣な表情に変わり俺達に体を向けた

『静かに言うのであれば質問を受け付けます』

何かを覚悟した目に俺達は引き寄せられた

そして

跡「10年前の村を襲ったのはお前か?」

『そうですね。正確には2番目の村からとなります。理由としては1番目の村の子供でしたので』

跡「殺した理由は?」

『......』

跡部は聞く、氷月に真実を求めて

氷月は黙る、他の人達に伝えていいのか迷っておる

手「俺達は後悔しない。俺達は白川の事を知りたいと思っている」

不「それに、このままじゃ誤解を生んだままだよ?」
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