第19章 面倒
蒔「嘘よ!あなたは一番最初から殺していた!」
『はぁ、残念ですが、僕は1番目の村の子供です』
蒔「証拠は!?」
『ありません。逆にあったら見たいです』
明「じゃあ、私達の両親の事も知ってる?」
蒔「明奈!?」
『ほとんど覚えていません。しかし、写真を見て少しだけ思い出しました』
明「どんな人達だった?」
『父親の方は毎日村の子供達と遊んでくれました。都会にいる娘に会いたいと言ってました。母親の方は毎日忙しく、朝早くから何処かへ出かけて調査をしてました』
明「お母さんは、なんか言ってた?」
『自分の子供達に早く会うために仕事を頑張っていると』
明「そう」
明奈さんが少しだけ微笑んだ
でも、蒔苗さんは
蒔「明奈!なんで早く殺そうよ!どっちにしろコイツがいたからお父さんもお母さんも死んだんだよ!?」
明「蒔苗、違うよ。あの大人達は本当に子供が欲しかっただけ。蒔苗がマネージャーの仕事をしている時に調べていたのよ。過去の事件とか」
蒔「それで!?やっぱりこの人がやったんでしょ!?」
明「蒔苗、過去の記事を読んだけど1番目の村の事件は大人達の事しか書かれてなかったの。「子供がナイフを持ってやってきた」事は2番目の村以降に追加されてるのよ」
どうやら明奈さんは蒔苗さんと違って頭がいいみたいだ
過去の新聞記事などで解釈したのだろう
『本当に僕が関わってないと思う?』
明「私は、そう思うわ」
『それだけの理由で?』
明「ええ」
『...なら安心しました』
蒔「明奈...!」
蒔苗さんは此方に銃口を向けてきた
明奈さんの隣にしっかりと立ちながら
でも、その手に持ってる銃は震えていた
その震えている銃を見て、蒔苗さんの姿を見て少しだけ安心感を覚えた
『よかった。誰も殺していないんだね』
「「!!」」
『見ればわかります』
明「私達が暗殺者の事を学んでいるのを知ってたの?」
『ええ、上風警察官から聞きました』
蒔「いやよ...私達、父さんの敵を討つもん...」
『あぁ、成程。引き取り先が彼だったと言う事、か』
蒔「何よ...」
『外国に麻薬密入国をしていた主犯、その方が君達の2番目の親でしたか?』
「「!!」」
『双子の娘がいると言ってましたので』
全く、事がうまく進みじゃないのかい?