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古きパートナー

第19章 面倒


『僕みたいな殺人鬼が、普通にテニスを楽しんでいいと思いますか?』

仁「それはお前さんの意志でやった事じゃないじゃろう」

『それでも実行すれば同じです』

仁「...お前さんは、氷月は抱え込みすぎじゃ」

『...え?』

仁「楽しんでええんじゃよ。お前さんも被害者じゃ。例えお前さんが人をどれだけ殺しとっても今は今じゃ」

『......』

仁「怖いんじゃろう?公の場で小学生の時のヤツらに会うのが」

『僕、は』

仁「俺が守るき。一緒に出てくれんか?」

『女子テニス部の方々が泣きますよ?』

仁「女子テニス部の誰よりもお前さんは強いし、俺は氷月意外とは組みとうない」

『女子テニス部だって頑張っているかもしれませんよ?マネをしている僕よりも彼女達を選ぶべきです』

仁「それでも互いの息が合っておらんかったら意味がなかと」

『...僕は、多分出来ない』

仁「理由を聞いてもええんじゃな?」

『その代り、柳君もお願いしてもいいですか?』

仁「なんで参謀なんじゃ?」

不機嫌な表情をする仁王君は何処か怒っている

『お願いします』

仁「...わかったぜよ」

仁王君はそのまま立ち上がりテニスコートへ戻って行った






柳「それで仁王が不機嫌だったのか」

仁「......」

『?』

別けられた部屋の中には柳君、仁王君、幸村君がいた

優真と切原君は他の皆とゲームをしているようだ

幸「それで?」

『春の、ダブルスの試合。どう、見えましたか?』

仁「氷月...」

柳「ハッキリ言ってもいいのか?」

『はい』

柳「俺としてはペアは成り立っていなかった。仁王を中心とし自分を目立たせ動きやすくはしていた。だが、仁王の試合と氷月の試合は噛み合っていなかった」

幸「俺も蓮二に同意見だね。氷月は仁王に合わせすぎなんだよ。もっと自分を出してもいいんだよ?」

『僕は、僕の試合が分かりません。ただ人よりもボールの扱い方が違って、回転を掛けられる程度。ペアの経験も無ければ自分のプレイスタイルも分かっていないんです』

柳「氷月の言う事はわかる。自分でも理解していないプレイスタイルのままじゃどうにもできないのだろう」

幸「だからとりあえず、仁王に攻撃を任せていたんだね?」

『はい』
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