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古きパートナー

第18章 殺伐の春


教室を出て着替えるために三輝さんと更衣室へ向かう

昇降口で靴を履き替えて外に出ると

また突き刺さるような視線が僕に向けられていた

自然と足が止まり辺りを見渡す

南「どうしたの?」

『...いえ、何でもないです』

気配を隠すのは上手いかもしれないが

あまり上手に隠せてはいない

視線が突き刺さるからだ

更衣室で着替えた後にテニス部の部室へ向かう

南「もしかして、視線でも気になる?」

『そうですね。気になるのが含まれます』

南「気を付けないとね」

『わかっています』

テニスコートの脇にある小さな建物はレギュラー陣専用の部室

弁当用のおにぎりと飲料水を持って中に入る

ジャ「大丈夫か?」

南「私は平気だけど」

『僕も慣れているので』

丸「そんで?目的の人物は?」

『居た事はわかっただけです』

真「ならこれからもっと注意して過ごさなければな」

柳「俺もその人物を洗ってみる事にしよう」

柳生「私もお隣に座っていましたが、痛かったですね。視線」

式中は後ろから突き刺さる視線が離れなかった

『出来損ない、かな』

仁「何がじゃ?」

『いえ、こっちの話です』

僕の事を知っているのならばそれなりに特訓をしないと対抗できない

密かに鍛えてきた体はスポーツマンと言うには筋肉が足りない

テニスをする上で必要最低限の筋肉と少しのものしかない

彼らのように全体的に育てている訳ではない

僕の取柄は、まだ誰にも分からないだろう

仁「今日はテニスしんのか?」

『皆さんは僕の正体を全国的にばらしたいのですか?』

幸「いいじゃないか。減るものでもないよ」

『有名人にはなりたくないのです』

南「マジシャンねー。いいよねー。打ち方、教えてくれない」

『体を痛めますよ』

柳「体全体で使う曲線か...ん?待てよ...」

「「?」」

柳「氷月、すぐに半袖半ズボンになってくれないだろうか?」

「「はぁ!?」」

『嫌です』

柳「何を隠す必要がある。傷跡か?」

『そうです』

急に何を言い出すんだ

不覚にも驚いてしまったではないか

柳「三輝、氷月の着替えている所を見て何か思わなかったか?」

真「蓮二!何を言ってるんだ!」

南「え、え?例えば??」
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