第17章 甘い日
仁王側
仁「氷月?」
何時もの固い雰囲気から殺気立ったオーラが放たれておる
南「氷月?」
その雰囲気に気づいたのか次々と皆の顔から表情を消えておる
切「......」
丸「......」
何時もの騒がしい2人は静かになり氷月を見るだけであり
『今日の天気は、ナイフかな?』
柳生「え?」
氷月の言葉と同時に
公園の高い茂みからヒュッと何かが飛んできた
『......』
それは突起物のような物で氷月はそれを素手で掴んだ
「「!!」」
飛んできた物はナイフじゃった
ナイフの刃先は氷月の胸の手前で止まっておった
氷月はナイフの持ち手を掴んでおるために怪我はなかった
『はぁ、誰ですか?』
飛んできた方向に体を向けて何時もよりワントーン低い声を出した
?「ククク...、やっぱ手放しがたいぜ。お前は」
背の高い茂みの中から現れたのは
幸「あれは...」
真「デパートの時の大男か」
分厚い冬服の上から筋肉が盛り上がっているのが見える
誰が見てもヤバい感じじゃ
春の不良なんて比じゃない
『...なんの御用でしょうか?』
?「殺しに来た。と言ったらどうだ?ファースト」
『僕はそのような名前ではない』
まさか、コイツが
『僕はそんな名前じゃない。ファーストなんて名前は捨てたし返品します』
?「あの時の威勢は消えてなかったか。嬉しいぜ」
『ご用件は?』
?「そうだな、近状報告でもしてやるよ」
『......』
?「信用ならねーか?」
『そうですね。あの時の行いのせいで信じられませんね』
冬の寒さと雪の冷たさの中に
別の寒さと冷たさが俺達を襲う
2人の殺気はこの公園を取り囲んでおるようじゃ
?「今では政府の犬さ。逆らった瞬間に俺の首がリアルで飛ぶ」
大男はマフラーを外すと、鉄の首輪が付けられておった
『発信機、ですか?』
?「それと針さ」
『成程、それで大人しく政府の犬になっているのですか』
?「その口答えもそそるな」
『相変わらずの変態で安心しました。あの時は「大河」と言われていましたね』
大「懐かしいな。まあそのままでいいぜ。氷月」
『...地獄耳』
静かな公園に火花が飛び散る
1歩でも動いたら、即退場じゃ