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古きパートナー

第16章 明かりが欲しい


ガシャンと音が聞こえれば通話が切れた

仁「氷月!」

通話は切られた

何度掛けなおしても繋がらない

柳「恐らく寒さでバッテリーが逝ってしまったのだろう」

ジャ「氷月...」

チンッと音が鳴れば地下3階に到着

辺りは薄暗く不気味であった

父「あいつらがどうやって此処までこれたかは知らないが、とりあえず氷月達の事を優先だ」

誠さんがエレベータを降りると明かりが付いた

真「センサー付きとは、便利だな」

手前から1つずつ開けて行く

1つ目の冷蔵庫にはおらん、2つ目にも3つ目にも

4つ目の扉を開けると今までと違った鉄の臭いが鼻を掠める

?「おや、明るいですね」

弱々しい声が聞こえ中に入るとセンサーで辺りが明るくなり

「「氷月っ!!」」

向こう側の壁に力なく持たれかけておった

俺達は走り出して氷月の元へ向かう

氷月の腕の中には小さな女の子が眠っておる

『大丈夫ですよ。生きていますから』

父「よく頑張ったな」

女の子の体には黒いコートに包まれており温かいが

仁「!、お前さんっ!」

氷月の体は氷のように冷たかった

肌も青白く、脇腹からは血が滴り落ちておった

『誠さん』

父「なんだい?」

『奈々子ちゃんを、お任せしても?』

父「大丈夫だ」

『お願い、します』

柳生「氷月さん!」

真「たわけっ!起きんかっ!」

そのまま壁を伝って床に倒れる

脈が薄く、吐く息も冷たく浅い

瞼は重く、深い眠りに入ったようじゃ

傍には携帯が落ちており電源が落ちておった

落とした時の衝撃じゃろうな

父「仁王君、すぐに医務室へ運ぼう」

仁「了解ナリ」

誠さんは奈々子ちゃんを抱きかかえ、俺は氷月を背負た

背中から伝わる体温はなく、氷を背負っているように冷たかった

俺の体温が奪われるくらいに

急いで2階の医務室へ2人を運ぶと都美子さんが奈々子ちゃんの両親を連れて先に来ておった

「奈々子!」

母親は泣きながら娘に近づいて行く

母「氷月!」

都美子さんも氷月へ

すぐにベットに2人を入れて湯たんぽやストーブを当てて体を温めて行く

「むにゃむにゃ...、おかあさん?」

「奈々子」

「おとうさん!」
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