第16章 明かりが欲しい
別の画面に目を通せば別の男2人がおった
「あの人は!」
父「知合いですか?」
「ロビーで奈々子の事を」
どうやら襲われておったらしいのう
その男が奈々子ちゃんのお腹に腕を回すとそのまま持ち上げた
遅れてやってきた氷月は角で木刀を持った男が待ち構えておる
ジャ「危ねぇ!」
曲がり角から氷月が飛び出すと男は何のためらいもなく木刀を振りかざした
それを持ち前の瞬発能力で避けるとそのまま男に殴りかかろうとしておったが
別の視点のカメラから男がボウガンを持ち出してそれを氷月に打ち込んだ
仁「氷月っ!」
氷月はそのまま自身の足を引っかけて転んでしまうと
4人の男が集まり奈々子ちゃんを開放した
代わりに別の男が氷月を持ち上げるとエレベータの方へ向かって行った
それに奈々子ちゃんが暴れだすとまた別の男がハンカチを取り出してそれで鼻と口を塞いだ
すると奈々子ちゃんは大人しくなりそのままエレベータの中へ消えて行った
「あれはここら一体を纏めている族の1つです。そこまで頭のいい連中ではありませんが、怒らせると怒らせた人物をどうにかするまで暴れ回ります」
父「俺から県警に話しをしといてやる」
「ありがとう」
柳「さて、問題は氷月達が何処へ連れ去れたからだな」
幸「あんなあからさまに証拠を残していくなんてね、確かに頭の悪い連中のようだ」
柳「このまま行けば部屋に戻った確率は10%もないだろう」
柳生「と言いましても、この階や2階には隠せるスペースも少ないでしょう」
丸「何よりロビーには近づいていないぜぃ」
監視カメラはまだ続いておる
この後、監視カメラには一度も氷月の姿はなかった
仁「......」
30回以上は連絡をしたじゃろうか
途中から電源が入っておらんと言われるあたり携帯を奪われたのかもしれん
上風「氷月は?」
仁「まだ繋がらん」
俺が電話を掛け続けておる事を知っておる全員はそれぞれポケットから携帯を取り出して握りしめておる
20分が経った所じゃった
何度かの通話を期待し掛けると
電源の広告はなく、コールの音も長かった
『はい、もしもし』
!、今声が
仁「!、氷月かっ!」
『そうですが?』