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古きパートナー

第10章 知らないフリ


幸「そこまでっ!」

『......』

切「アンタも赤く染めてやるっ!」

幸村の制止の言葉を聞かず、トスを上げる自らデビル化した赤也

影夜は右腕を狙われ、そこを今は軽く押さえておる

最初は接戦じゃった

じゃが、スロースタートの影夜に調子が出てこれば

赤也はどれだけ対抗しようとポイントが全くとれんかった

影夜のリードで5-2

しかも後1ポイントで終了じゃが

影夜の受けたダメージは尋常じゃない

隣で見ておる優真は何も言わんが苦しい表情をしながら見ておる

そこで柳が危険ではないかと思い幸村が止めにかかったと言う訳じゃが

『可哀想...』

影夜は口パクで赤也に言った

切「これで、終わりだっ!」

『ごめんね...』

赤也の放ったスピンが強く掛かったストレートは

影夜の右腕を確実に狙って居った

右に持ち替えたラケット

そのまま体を回転させ、相手に返す

そのボールの威力とスピードは今までのより速く鋭いものじゃ

切「なっ!」

赤也は反応に遅れ、額にボールをぶつけそのまま後ろに倒れた

カラン...と乾いた音が2つ鳴り

赤也の手からも影夜の手からもラケットが落ちた

丸「あ、赤也!」

上風「影夜!」

試合の終わったコートは痛々しいものじゃ

赤也は大の字に倒れており、影夜も倒れては居らんが片膝立ちで右腕を抱え込むように押さえておった

ジャッカル、丸井、柳、柳生は赤也を

残りは影夜の元に向かった

上風「影夜!」

隣でしゃがみ込み表情を伺って居る

幸「無茶したなんてものじゃないよ。今すぐに病院へ行くんだ」

『大丈夫です。ほかっておけば自然と治ります』

真「骨にまで異常があるやもしれん。すぐに」

『いいです。いいんです。自分が悪いんですから』

知っとる、その痛みは最後に打った球の衝撃であり

赤也から受けておったダメージではないのを

指先はピクピクを震え、声は掠れ震えておる

かなりの痛みじゃろうな

柳「精市、赤也の方は軽い気絶だ。問題はない」

幸「そうか。止めてくれた事には感謝するよ。でも、君はすぐに病院へ」

上風「影夜...」

『...わかりました』

フラフラと立ち上がり1歩ずつ前に向かう

俺はそんな影夜の横から両肩を持つ

『ありがとうございます』

仁「ん」
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