第12章 本当の気持ち
「…だか、ら…そんな、さいてっな…人間、よりっも…」
私は話し終わるころには涙で顔がくしゃくしゃになっていた。
「…わたっし…赤羽く、んには…幸せに、なってほしいっの…」
「ののちゃん…」
赤羽くんはずっと閉じていた口を開き、私の名前を呼ぶ。
「っ…」
私は目を強く瞑り、覚悟を決める。
「…本気で言ってる?」
赤羽くんが低い声で言った。
「…?」
――バッ
「?!」
赤羽くんは私をいきなり抱き締めた。
「俺は本気で『望乃』が好きなの。あんまり舐めないでくれる?」
「…っぅ、うん…!」
私はありったけの嬉しさのその一言に込めた。
「ねぇ…望乃って呼んでいい…?」
赤羽くんは優しい声でそう言った。
「うん…いいよ…」
私がそう言うと赤羽くんは私を抱きしめる力を少し強めた。
そして少し身体を離した。
顔と顔の距離がちょうどいいくらいになる。
(っ…赤羽くん…)
赤羽くんが顔を少しずつ近づけてくる。
私も少し顔を近づけ、目を瞑る。
ゆっくりと唇が重なった。
「っ…///」
私のファーストキス。
ゆっくりと唇を離す。
「・・・///」
「やっぱり。望乃、初めてなんだね、キス」
優しい笑みでからかうように言ってくる。
「赤羽くんは初めてじゃないの?」
少しムスッとした顔で赤羽くんに言う。
「初めてだよ」
(む、赤羽くんだって初めてじゃん…ん?ってことは…)
「望乃がファーストキスの相手」
「っ!///」
考えを読み取られたかのように答えられ、顔が赤くなる。
「俺、望乃のファーストキス以外も奪いたいな」
「えっ///」
私が答える間もなく、赤羽くんは私をベットに押し倒した。