第7章 赤羽 業
「はは、やるわけないじゃん。ずっといいおもちゃがあるのにまた停学とかなる暇ないし」
「カルマくん…」
「でさ渚くん、茅野ちゃん、ののちゃん。聞きたいことがあるんだけど」
赤羽くんはそういいながら近づいてきた。
また、会えた。
今度は、早めにお礼言わなきゃ。
「あ、あの!赤羽くん!」
「ん~?なに?ののちゃん。」
赤羽くんに見つめられ、ドキッとして思わず下を向く。
「え、えっとね。2年の最後にさ、担任殴ったじゃん?それのお礼、まだだったからさ。言いたくて…あ、ありがとね。」
最後の『ありがとう』は目を見て言いたくて目を合わせる。
(相変わらず綺麗な目だな…本当に吸い込まれそう…)
「いいよ、別にそんなこと。ただ気に入らなかっただけだから。」
「うん、でも…ありがとう。」
「あぁ、そうだ。絵、描いてくれてる?」
あぁ、覚えててくれてたんだ。
思わず顔が緩む。
「暗殺してる様子とかたくさん描いてるよ」
「へぇ、じゃあ今持ってる分だけでいいから見せてよ。」
「じゃあさ今から僕の家に行くんだけど、カルマくんも来る?」
「おぉ、マジ~?んじゃ、お邪魔しようかな。」
渚くんを見ると小さく親指を立てた。
「んじゃ、4人で渚の家へレッツゴー!」
そう言って私たちは電車の方へと行った。
渚くん!ありがとう!
「ねぇ、渚くん。殺せんせーのこと、ちょっと詳しいって?」
「うんまぁ、ちょっと」
「殺せんせーにさ、タコとか言ったら怒るかな」
「タコ?
うーん、むしろ逆かな。自画像タコだし、ゲームの自機もタコらしいし。この前なんか砂場に穴掘って『タコ壺』っていう一発ギャグやってたし。先生にとってもちょっとしたトレードマークらしいよ、タコは。」
「ふぅん…そうだ…くだらねぇこと考えた、クスッ」
「カルマくん、次は何企んでるの?」
「俺さぁ、嬉しいんだ。あいつがただのモンスターならどうしようって思ってたんだけど、案外ちゃんとした先生で。」
そう言うと渚くんの方へと振り返り笑いながら言った。
「ちゃんとした先生を殺せるなんてさ。ははは、前の先生は自分で勝手に死んじゃったから。」