第6章 ジャーファルに助けられてみる!【甘】
残念ながら王様は王宮内には居なかったので、こうして肌寒いのにわざわざ街に出て、深夜営業の居酒屋をしらみ潰しに当たっているのだ。
『あのー…』
「お!いらっしゃい、お嬢ちゃん!」
優しげな顔のおじさんが店に出迎えてくれた。
「飲んでくかい?」という言葉にゆるく首を振ると、王様が来てないかと尋ねる。
「王様ねぇ…残念だが来てねぇよ。」
『そうですか、ありがとうございます。』
お礼を言って店を出る。
もうひとふんばり、と寒さにうつむきながら足を進めると目の前に2つの影が立ちはだかった。
『……?』
男1「オネーサン1人?こんな夜遅くに出歩いてたら危ないよー?」
男2「そうそう!ほら、危ないし俺達の家に来ない?」
…うわ、典型的なナンパだ…
どうしよう、こういうのあったことないから分からないし…テキトーに理由作って逃げよう!
『あ、あの…私、連れが居るので…』
男1「連れなんてイイじゃん、遊ぼーよオネーサン!」
男2「楽しい遊びしよ!…ねっ?」
何だよ楽しい遊びって!!
ここは…
『いやですっ、すみません!』
逃げるが勝ちっ!
男達と反対方向へ脚に力を入れて強く地面を蹴った。
足の速さにそれほど自信はないが…撒けなくても、せめて王宮に逃げ込めれば…!
男1「ざんねーん。」
男2「逃げられないよー」
いつの間にか目の前に2人の男達。
そんな…!一瞬で移動なんて…ありえない!
また踵を返して走り出す。
得体のしれない力…恐くて必死に走るけど、その先にもまた男が待ちぶせている。
『…っ!』
誘導されていたのか、いつの間にか路地に入っていた。
目の前は行き止まり…後ろには2人の男。
『っいや…!』
私は戦えない。
護身の類も知らないし、凄く怖くて…
小さな声しか出なかった。
恐怖で身体が震えていた…私、どうなるんだろう…
ニヤニヤと気持ちの悪い顔で近寄ってくる男達…
『来ないで…!』
男1「震えちゃって…そんなヒドイことしないよー?俺達…」
男2「ま、それはオネーサンが抵抗しなければ、だけどね…」
4本の手が、伸びてくる。
…嫌だ、恐い、気持ち悪い
嫌だ、いやだ、いやだ。
誰か、だれか…
助けて…!
『…ジャーファルさん…っ!』
ジャ「おや、レイ…ここにいたんですか…随分と捜しましたよ?」
