第15章 最終決戦
「っなぜだ......!」
「「「っ......!」」」
「なぜだ!なぜ記憶が戻った......!」
透矢は今までに見たことないような形相でユリと宏光の元に歩み寄った。
「っユリはこんなことを望んでいなかったんだよ!」
「なんだと!?」
「ユリは人を......誰も殺したくなかったんだ!!
っそれなのに、それをアンタは......!」
「っ娘は......我らの王となる王女だ!
ましてや、狼が人間と共存することを願うというのか!」
「王とか狼とか関係ねぇよ!それを決めるのは、ユリなんだよ......
アンタに指図される筋合い、ねぇんだよ!!」
「っく......!」
「透矢......ここは強制的に娘を操ったほうがいいかもしれんぞ。」
「我々の目的が、ここで絶えるわけにはいない......」
透矢達の後ろには凛太郎と清介の姿があった。
「そうだよ......そうだよ!ここで、
俺らの計画をアンタらに壊されたら意味ねぇんだよ......」
新次は宏光に毛を逆立させ牙をむき出しにする。
「っ......」
「ってめぇのせいで計画が壊れたら終わりなんだよ......!
死ねぇぇぇ!」_ダッ!
「っ......!」
新次は宏光に向かって走り出す。
「っだめ......!」
「っユリ!」
ユリは宏光の前に立ち塞がり白狼へ変幻させた。
「っなに!?」
そしてそのまま新次の首元に噛み付き振り回すように投げ捨てた。
「かはっ......げほっ...!」
首に重傷を負った新次はふらつかせながらも立ち上がろうとした。
「っ......」
「もう......パパ達を傷つけさせないの......!」
「っユリ......」
「っく....こんな馬鹿なこと......起こってたm...るもんか、よ......」_バタッ...
立ち上がろうとした新次は、立つこともなくその場に倒れ息絶えた。
「っ何ということだ......」
透矢達は漠然とその場に佇んでいた。