第8章 失われた記憶
宏光side
__ガッ!
「っ!」
「......。」
まさか、ユリが俺に向かって爪を立てるなんて
思いにもよらなかった......。
俺の腕からは赤い血が床に落ちていってた。
もう......俺の知っているユリはいないの?
なら、ユリともう少しちゃんと話しておけばよかったな......(苦笑)
藤ヶ谷の話を聞いて、
ユリを本当のいるべき場所に戻す日が来る日まで面倒見たかったのに......
俺には、それができないのか......?
「パパをいじめる人は嫌い、なの......」
ユリはそう呟いた後、宏光の元を去り部屋に戻っていった。
「ユリ......」
そして宏光はその後ろ姿を見送るしかなかった......。