第8章 失われた記憶
「ユリ、部屋から出ておいで?(微笑)」
「は......?」
翔は隣の部屋に繋がっているであろう扉に目を向け、
さっきの嘲笑うかのような表情は消え穏やかな表情を見せた。
__ガチャッ...
そして扉は開かれ白いワンピースを着たユリの姿が現れた。
「......。」
「っユリ!」
「「っユリちゃん!」」
3人はユリのもとへ急いで歩み寄った。
だがユリは3人に対して無反応......
_フッ「......(嘲笑)」
そして翔はその様子を嘲笑うかのように眺めていた。
「っユリ!無事で良かったよ......早くここからd..『誰?』......ぇ?」
宏光がユリの手を握ろうとした時、
ユリからは想像もつかない言葉が発せられた。
「「っ!?」」
太輔と裕太は目を見開きながらふたりを見た。
「......。」
ユリは太輔達に見向きもせず、宏光を見ていた。
宏光を見るユリの目はまるで初めて会ったかのように
不思議そうに見つめていた。
「っユリ、なんで......」
頭の中が真っ白になった宏光は足元をぐらつかせた。
そんな宏光をよそにユリは翔のもとに駆け寄っていった。
「......パパ、
あの人誰......なの?」